「生産性ロードマップ戦略」—儲かる工場経営を目指して—第52話 人財はストック。遊休資産にしてはならない。

貴社が有するストックは、最大限に生かされていますか?

 

3つの活動をバランスよく采配して、儲かる工場経営を実現させます。

1.日々の生産活動では、生産管理で標準の維持を図る

2.問題解決の課題を掲げ、目標と現状とのギャップを改善活動で埋める

3.5年先、10年先を見通し、全社一丸となって、コア技術のブラシュアップに取り組む

この3つの活動がバランスよく実行されるよう采配するのは経営者の仕事です。

 

3項で、貴社にとってのイノベーションを起こします。儲かるイノベーション。外部環境の変化に適応するには欠かせないプロセスです。そして、常に、1項、2項のPDCAを回しておくことです。

少数精鋭で、筋肉質の現場に欠かせないのは、実践での訓練です。経営者の宣言一下、いつでも動けるようにしておきます。

10年ロードマップ戦略プログラムは、これら3つの活動のグランドデザイン設計を支援をするプログラムです。

 

 

 

グランドデザインの設計にあたり、チェックから始めます。

2つです。

・儲かる生産管理になっているか?

・儲かる改善活動になっているか?

弊社では、ここを重視します。

儲かる生産管理体制なしに、儲かる改善活動も儲かるイノベーションは絶対に実現しないと考えているからです。

中小の現場で、伊藤が痛感しました。

 

工場内のモノ、金、情報の流れに着目した流れ分析で、ムダを除去するのです。そこから、地道に仕組みを構築していきます。1→2→3と順番に進めます。

まずは、明確な生産管理体制を構築するのです。

製造業の本業はモノづくり。モノづくりを通じて、社会へ貢献すると共に、しっかりと対価を稼ぎます。儲ける仕組み、体制を作っておかねばなりません。

それが、生産管理体制なのです。

儲かることを意識した生産管理でなければ意味がありません。納期遵守だけで満足しているようではダメです。こうした、生産管理体制の上に、改善活動やイノベーションがあります。

ですから、中小製造現場で、まずやるべきことは、儲かる生産管理体制を構築することです。

 

 

 

1→2→3の一連の活動で、チェックされるものはアウトプットです。

成果を計測します。お金がフローという形で生み出されます。

これを評価するのです。

一連の活動と生み出されるお金の紐づけが重要です。利益の貢献度を現場が知る手がかりですから。

貢献度を知ることで、現場は、やる気の源泉となる有能性を感じることができます。現場の動機づけで、極めて大切な論点です。

 

 

 

見える化は、言い換えると数値化です。活動から生み出されるフローの明確化が、やる気を引き出す環境整備につながります。

そして、ここで、忘れてならないのはストックです。貴社には、長年蓄積されてきた、貴社独自の経営資源があります。

日常の生産活動の成果は、アウトプット、フローで評価されることが多いです。生み出されるお金へ経営者の注目は集まります。

一方で、フローを生み出す源泉である「ストック」の存在を、忘れてませんか?

 

 

 

結果が出れば、つまり売上高や利益が確保されれば、とりあえず良しとする経営者も多いと感じます。

市場が拡大し、需要が伸びている時代ならばこれでも問題ありません。力づくでも、なんでも、大きくなるつつある市場でなら、貴社の存在場所は必ずあるからです。

しかし、今後は、変わります。5年後、10年後も、現状が継続されると考えている経営者は皆無でしょう。加えて、人財をはじめ、貴社が有する経営資源にも制約が出てきます。

したがって、今後、経営者が直面する経営課題は下記です。

「限られた経営資源を元手に、フローの最大化を図る。」

つまり生産性の最大化です。

仕事のやり方も見直さなければなりません。

 

 

 

先週のコラムでは、実働時間に占める「本来の」正味作業時間の割合を増やすことに着目しました。

持ち時間のうち、高付加価値化に寄与する実質的な時間を増やしてこそ儲かるというのは自然な考え方です。

生産性では、アウトプットにみならず、インプットにも注目します。フローを生み出すため、投入できるストックに頑張ってもらうことも重要な論点です。

ストックに焦点を当てた生産性向上の観点が生まれます。

ストックを遊ばせない。

ストックの持つポテンシャルを最大限に引き出す。

ストックを遊休資産にしない、最大限活用するという論点です。

 

 

 

企業規模にかかわらず、時間は、全ての経営者に同じだけ配分されています。ですから、経営者は、持ち時間に占める「本来の」正味作業時間を少しでも増やし、付加価値を高めることに知恵を絞ります。

これは、時間を遊休資産にしないことと同義です。

ですから、経営者は、まず、ストック(経営資源)を把握することからです。お金、設備、ノウハウ、組織風土、人材、全てストックです。

持っている貴社の経営資源を、最大限に生かすことから考えます。遊休状態で放置されているストック(経営資源)がないかチェックして下さい。

 

 

 

中小の現場管理業務を通じて痛感したのは、人財活用の観点で、生かす余地が大いにあったことです。

現場の若手人財のポテンシャルを100%、120%、引き出せていない現場が多かったことです。

とても、もったいないことだと、しばしば、感じました。

金利が低い経済環境のもと、お金は銀行に預けてもほとんど増えません。一方、5割増し、2倍、3倍と成果を出してくれる可能性を秘めている経営資源が人財です。

人財を遊休資産にしてはなりません。

環境整備が整えば、大いに活躍してくれる経営資源が人財なのです。

中小製造企業は、大手よりいろいろな制約があるので、経営資源に限りがあるとはしばしば言われることです。

しかし、その一方で、今ある経営資源の遊休状況を解消する余地も多分にあります。

貴社が有する、お金、設備、ノウハウ、組織風土、人材など、ストックを、まだまだ、最大限に生かし切っていないのではないでしょうか?

 

 

 

1→2→3の一連の活動の成果は、アウトプットで評価されます。一方で、活用されるストック(経営資源)の最大化も見逃せない論点です。生産性の視点を活用して下さい。

特に、人財の生産性を高めたいです。若手人財のポテンシャルは大きな可能性を秘めています。この経営資源を活用しない手はありません。

やる気を引き出す環境整備がカギです。

若手人財は会社にため、社長のために役に立ちたいと考えています。

経営者の目の前に宝があるのを見逃しているかもしれません。

 

貴社が有するストックを全て洗い出し、それを生かし切っているか判定する仕組みを作りませんか?